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むせ返るような芳香、甘い蜜。蝶のような優雅さで。 そのカラダに鋭い棘を隠して。
はじめに

ようこそ、偽アカシアへ。
こちらは私、朝斗の今までの作品展示室となっております。

過去作品から随時追加予定です。
同じものを掲載していますが、若干の推敲をしている場合もあります。
詳しくは『はじめに』をご一読ください。
2008.5.6 Asato.S
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「パズルの男ぉ?」

 そんな話題が出たのは、次の日のお弁当の時間。
 そう。と友人の智美が平然と頷いた。

「パズルのピース知りませんか、って寄ってくるんだって」

 私は半ば呆れながらおかずのコロッケを突いた。
 あたしも知ってる、と梨紗までが口を挟んできた。フォークの先にタコさんウインナーを刺したままで。

「でね、『はい』か『いいえ』ってちゃんと答えるまで放してくれないんだって」

「いわゆる都市伝説だね。弟の友達も見たとかなんとか」

 腕組みをして頷く智美。いつの間にか梨紗が会話の中心を担っていた。

「冗談でも『はい』って答えちゃうとね、ちょうだいって掴みかかってくるんだって!」

「なんだ。ただの不審者じゃない。なんでパズル?って気はするけど」

 思わず彼女達の怪談話にツッコミをいれる。
 すると智美がニヤッと笑った。

「お。結衣信じてないなー? まぁ、私も信じてないけど」

 私は窓の外の空を見上げた。綺麗な青空だった。
 当たり前だよ。そんなの、高校になってまで鵜呑みに出来る程純粋じゃない。
 小さい頃はあんなに怖がっていたのに、中学校に入った頃からは怪談話になびきもしなくなってしまった。
 もう廊下の暗がりにお化けは潜んでいないし、鏡の中から手が出てきて引きずり込まれる心配もしない。

 それに。私が信じない理由はもう一つある。
 パズルだったら昨日私が拾ってしまった。
 もし今のが本当の話だとしたら、その『パズルの男』とかは私の所に来たりするの?

 …まさか、馬鹿馬鹿しい。
 信じている場合じゃない。


 そしてその帰り。家まであと数百メートルというところで。


「…見つけた」


 声がした。
 振り返ると、女の子が私を見ていた。
 もうほとんど日も沈んだ薄暗がりの中に、ぽつりと。
 年は私と同じくらいだろうか。ふわふわの長い髪で、服装は長めのワンピースみたいだった。

 可愛い子だな、と思う反面、妙な子だな、とも思った。

 それは、少女の肩に真っ白いハトが留まっているのが原因だった。
 どうして、ハト? 逃げないのかな?
 とっさに浮かんだのがそんなことなんて、自分でも情けない。

 そのハトが、私を見てクルルと鳴いた。それを聞いて少女が目を細めた。


「あなた、持ってるわね」

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今日はここまで。
私のBlog小説第一弾『空色パズル』。
移行しながら読み返してみました。

過去の自分、所々いい感性!と同時に
過去の自分、所々言葉厳選!という思いが湧きあがります^^

ちょっと気になったところだけ修正してみました。
あまり変わりませんけど。
朝斗 2008/05/06(Tue)21:11:27 edit
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冬に包まれる季節。
詳しくはFirstを参照ください。
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