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むせ返るような芳香、甘い蜜。蝶のような優雅さで。 そのカラダに鋭い棘を隠して。
はじめに

ようこそ、偽アカシアへ。
こちらは私、朝斗の今までの作品展示室となっております。

過去作品から随時追加予定です。
同じものを掲載していますが、若干の推敲をしている場合もあります。
詳しくは『はじめに』をご一読ください。
2008.5.6 Asato.S
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このカテゴリには『詩』や一頁以下に収まった短い作品『散文』を収納しています。


基本的に目次はありません。
投稿順に入っていますので、奥に行けば行くほど新しい作品になります。
パラパラとノートを捲っていく感覚で、読んでいただけると嬉しいです。
本家投稿順とは異なっている場合もありますが、ご了承ください。

例外としてシリーズものに関しては一作目に目次を設けていることもあります。
シリーズ作品としては『童話シリーズ』『符シリーズ』等。

ちなみに本家での『詩』カテゴリー収納数は100を超過済みです。
それらの全てがこちらに収納されるわけではないので、興味を持っていただけた場合は本家・そらごとAuroraもどうぞ宜しくお願い致します。

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何時までだって構えているよ
 
それがまるで一生に


砂の中に 水の中に

息をしているようで

 
真っ白な嘘

逆様の烏と二枚のプロペラ


攫めるものが無くても

伸ばした手は確かだった

 
黒い羊の

両手に銃 耳元には空砲を


0.3秒のフラッシュバック

落ちていく先だって戦いは辞めない


目蓋の裏の現実

西日か朝焼け

穴の開いたスーツ


最後の一言

ただそれだけを支えに

銀色の弾丸が跳ぶ
 
 
そこまで そこまで

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 ふたりで手を繋いで歩いていた。
 
 空は眩しいくらいの黄昏。
 細く繋がった二人の影が、長く長く伸びている。
 
 既に彼女は泣いていなかった。
 時々震える華奢な左手を、慰めるようにそっと握り返す。その度に彼女は、わたしの顔を盗み見るように覗き込んだ。
 
「もう大丈夫だよ」
 
 わたしはわたしに言い聞かせるように、精一杯の言葉をか弱い空に吐き出した。
 
「もう、大丈夫だから」
 
「うん」
 
 彼女は頷く。
 紺色のブレザーの裾が、暗闇と交わるようにして夜を呼んでいる。
 何一つ持たないままで、二人だけ。
 家には続いていない道を、静かに静かに辿っていく。
 
 揺れている。
 大地と、私と、彼女の心が。
 
 どうして風はこんなにも冷たいのだろう。
 道の真ん中を伸びていく白線は、何処までも途切れることなく。
 
 少女の身体が、風に揺れて一歩を踏み出した。
 強く手を取って引き止める。その鼻先を灰色の車が通り過ぎていく。
 
「ごめん、ぼうっとしてた」

 少女は哀しげに目を逸らす。
 『本当に?』と聞くのは止めた。
 また謝られるのが怖かったから。
 
「もし飛び出したくなったら言ってね」
 励ますと彼女は笑った。
 冗談だと思っただろうか。わたしは本気なのに。
 
 
 もし飛び出したくなったら言って。
 その時は、わたしも一緒に行ってあげる。
 
 二人で手を繋いで。
 行き止まりまで。
 
 暗い迷路の最後まで。
 
 
 彼女から隠れたその左手に、鋭いものを隠しながら。
 
(願わくば、これを遣う瞬間が永遠に訪れませんように。)
 
End,

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Welcome
冬に包まれる季節。
詳しくはFirstを参照ください。
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